リネンについて

“リネン”ってなぁに??

麻という言葉はよく耳にしますが、案外みなさんは麻についてご存知ないと思います。
そこで少し麻についてのお話をしましょう。
麻という言葉は日本だけのもので、ヨーロッパには『麻』という大雑把な表現はありません。日本でいう麻の種類は、約20種類近くになります。代表的なものとして

リネン(linen)、ラミー(ramie)、マニラ麻、サイザル麻、黄麻(jute)、大麻(hemp)などがあります。

日本での麻は一般にラミーが大昔から使用されてきました。ここでは、リネンを中心に説明しましょう。

リネンは、亜麻科の一年草で、原産地は小アジア地方といわれていますが、現在栽培されているのは、比較的寒い地方が多く、主にフランス北部、ベルギー、ロシア、東欧諸国及び中国東北地方です。

毎年同じ土地で連作すると収穫量が減り、品質も低下するので、6~7年の輪作をするため、収穫量が限られています。

4月頃に種子をまき、7~8月に抜きとって収穫します。茎はマッチの軸位の太さで、1メートルほどの高さに育ち、先端に白または青の花が咲き、やがてボール状の実をつけます。

茎の表皮と木質部の間に繊維の束が並んでいます。
実からは、ペンキや印刷インクなどに使われる亜麻仁油(リンシードオイル)がとれます。

リネンはラミーに較べて繊維が細いためソフトな風合いが容易に得られるので、ドレープや、やわらかいシルエットが必要なものに適しています。また、糸にリネン特有の自然な太細むらがあり、これが製品に独特な外観と風合いを与えます。

リネンは吸水と発散性に優れているため、夏の衣料、ハンカチ、シーツ、テーブルクロス、クッション、ピロケース等に使われます。また、ソフトな肌ざわりと光沢はシルクに勝るとも劣りません。

一般的に洗濯が面倒ですぐしわになるといわれますが、リネンは簡単な洗濯で汚れが落ち、しぼらずに干しておけばパリッとアイロンをかけたようになります。

リネンはヨーロッパで栽培される植物で天然繊維のため環境に大変やさしいのです。

麻製品は高価ですが、長く長く、子、孫の代までお使い頂けるという観点から見て頂くと、大変お得でecoな素材であると言えます。

一度、リネンの優雅な風合いをぜひお楽しみください。

リネン生地ができるまで

整経機で経糸の準備をします。

ドラムに経糸を巻きます。

織機に準備した経糸を仕掛け、よこ糸を織ります。

検品します。

原反の出来上がりです。

リネンのお手入れ方法


通気性が良くて乾きの良いリネン。
洗えば洗うほどに良さが分かる。
リネンはこんなに簡単に洗えます♪

洗濯機で洗う

お洗濯が難しいと思われがちなリネンですが大丈夫ですよ。
家庭で気軽にお洗濯しましょう。

洗ってぐっと縮んでしまって使い物にならないというご経験ありますよね。
でも、それは残念ながらリネン100%ではなかったのでは?
または麻100%と表示されていても意外に混紡であることが多いですね。リネンとラミー、リネンと綿など、混紡だとどうしても収縮率が変わりますから、思いがけず縮んでしまったということになるのです。

麻100%だって他の繊維と同じように縮んだりしますが、それは標準的なもので恐れるほどのことではありません。
平織りのリネンは日常的に使われる綿と同等の収縮率です。
毎日使うナプキンやタオル、ハンカチ、シーツ類は、普通に洗濯機でお洗濯。ブラウスやスカート類、季節の変わり目に洗う暖簾やカーテンなどは、洗濯機の手洗い表示で洗うとより良いでしょう。
洗えば洗うほどに柔らかくしなやかになるのがお薦めのリネンです。

※平織り以外の特殊な織物、ワッフル、ダブルガーゼなどは繊細な織物です。
ネットを使用したり、他のものとは別に、手洗い表示のコースを選択してやさしくお洗濯してください。
また、リネンが初期のうちは、お仕立てもののサイズによっては、平織りでも綿が多くたつこともございます。
その場合もおしゃれ着コースを選択し短時間でお洗濯をされることをおすすめいたします。
注)未加工の原反は縮みます。

※裁ちっぱなしの状態で生地を脱水機にかけますと、擦れあって繊維くずが綿ぼこりのように付きますので注意が必要です。洗濯機でのお洗濯は縫製を済ませてからにしましょう。
また、縫製済みであってもお洗濯の強度(個人差)によっては同様に繊維くずや綿ぼこりが出ますが、天然繊維としては止むを得ませんので、ご理解の上ご利用ください。

●生地のゆがみが気になる、また、少しでも収縮しては困るものをお作りになる場合などは、どのような生地でも地のし(水通し)が必要です。
当社の原反以外の生地はどれも既に湯通し加工が施されておりますので、そのまますぐにお使いいただくことが出来ますが、この一手間は大切ですね。

●【未加工の原反】・・・てなぁに?
ここでの原反とは原糸で織り上げたばかりのまったく未加工の状態の織物を言います。下洗いによる収縮は12~15%程度となります。
例)0110、0111

干す

脱水はあまり強くかけないでください。

強く脱水しますと、繊維がよじれ硬く嫌なシワの元や縮みの原因になります。
本当は、絞らずにそのまま引き上げて干してもらいたいくらい。それが無理なら脱水機は、30秒ほど。したたる水が切れる程度で止めます。適度にしわを払って干してください。
乾燥性が抜群だからすぐに干せます。
乾くとリネンの持つ糊性がでて自然とパリッと仕上がります。

最後は、アイロンが決め手

パンと干しあがったらそれで充分なのだけど、買ったときと同じシャリ感を楽しみたいならアイロンです。

アイロンで仕上げるなら、完全に乾ききる前のしっとりするくらいの時 に高温で織り目に沿ってゆっくりかけます。
乾きすぎていたらたっぷり霧を吹きかけてくださいね。リネン独特の光沢と張りが蘇えりとても柔らかになります。

愛すべきリネン!
リネンの繊維には細胞間の結合物質であるペクチン質が含まれているため、触れてもチクチクせず、洗うほどにソフトです。
夏には、汗をすばやく吸い取ってくれるので、衣類やバスタオルにしますと、身体はいつも爽やかで清涼感に包まれます。防カビ性に優れ、雑菌の繁殖を抑制するので、臭いも抑えてくれる作用があります。
また逆に、繊維の中に空気が含まれ、天然のサーモスタットの役目を果たしますので、寒い季節には暖かく包み込んでくれます。シーツにしますと、なるほど!納得できますね。つまり、リネンはオールシーズンに適した繊維なのです。 麻布館の良質リネンを存分にお楽しみください。
さあ洗ってみましょう!
あなたもリネンが大好きになるはずです。

リネンの水通し・地直し方法

水通しは元々生地を人為的に縮ませる作業です。
ご使用になる生地を適宜裁断し、たっぷりのお水に4~5時間から半日ほど浸し、あまり絞らずに引き上げ、日陰で半乾きの状態にします。

洗濯機の場合は、攪拌せずにそっと沈ませます。脱水機はほんの少しだけ。
地直しの仕方は繊維によって様々ですが、リネンの場合はご存知のようにお水に浸けた後、半乾きの状態でアイロンをかけるのが基本です。その際、タテ地とヨコ地を軽く引っ張りながら生地目が垂直になるようにかけます。(地の目を整えるとも言います)この作業は乾ききってからではできません。
乾ききってしまった場合は、たっぷりと霧を吹くかもう一度軽く水に浸けなおしてからやり直します。
こうして余分に縮んだシワが伸びてこそ(地の目を通す)、本来の生地幅になり、次の裁断、縫製作業を容易にします。
因みにタテは織りつけの状態で既に強いテンションが加わっているため長さにほとんど変化はありません。ヨコ糸はそのタテ糸に乗っかっている状態なので伸度があるわけです。

〈注意点〉
※1.お湯ではなく、4~5時間ほど水に就けます。
※2.脱水はほとんどかけません。
※3.半乾きの状態とは陰干しで水が滴り落ちるのが自然に切れたくらいの状態です。

〈ポイント〉
織り密度の粗い生地になりますと、糸と糸との間にかなりの隙間がありますから、水通ししたままの状態ではかなり縮んでしまったようにシワが入ります。ワッフル地など、糸の露出が多い生地などにもこの傾向があります。
同じ生地でも作業時期、作業環境によっては仕上がりも異なります。水通しは、本来洗ったらどうなるかを見極め生地の性質を読みとり、製作の手助けとする作業です。
簡単なようですが、ご自分の作業の手加減を熟知し手間をかけ丁寧にされることをお勧めします。
神経質になる必要はありませんが、サイズが変わっては困るものを仕立てるときなどは、このひと手間を忘れずに!

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